シーリングの基礎知識

1960年半ばに導入されて以来、インダクションシーリングは不思議な製法として位置づけられてきましたが、実際にはその仕組みはそれほど難解ではありません。インダクションシーリングは接触点を伴わずに、過熱によりインナーシールと呼ばれる皮膜をビンやボトルの淵に溶接する方法です。実際のシーリングはフィリングそしてキャッピングの段階が終わった後に行われます。キャッピングされた容器は、ベルトコンベアに設置されたインダクションシーリングシステムの下を通過するだけです。インダクションシーリングは、不正開封防止に効果的な方法であるとアメリカ食品医薬品局によって認識されています

標準的なシステムは、パワーサプライとシーリングヘッドという二つの重要なコンポーネントで構成されています。パワーサプライは中周波から高周波で作動する発電装置であり、シーリングヘッドとは、誘導コイル内に取り付けられた導体を覆うプラスティック製のケースを指します。パワーサプライから得たエネルギーによりヘッド部が電磁波を作り出す仕組みです。キャッピングされたボトルは電磁波を受け、インナーシールのフォイルから電子抵抗が発生されることでフォイルが過熱されます。これにより加熱されたフォイルがインナーシールのポリマーコートを溶かします。キャップの圧力が熱に加わり、インナーシールが容器の淵に接着されるわけです。このようにして密封シーリングが完成します。

パワーサプライの強度は淵の大きさや製造ラインのスピードによって変わり、シーリングヘッドのデザインは用途によって変わります。フラットヘッド形とトンネルヘッド形は、中でも最も多用されている形状です。フラットヘッド形は電磁界を広げる性質を持ち、シーリング部分が大きめである用途に適します。これと比較しトンネルヘッド形は電磁界をキャップの横部と上部に集中する働きを持ち、均一な電磁界を作り上げるため、より均等なシーリングに適します。

インナーシールの選択も、用途によって異なってきます。発砲材や紙とラミネートされたフォイルなど材質も様々で、これらの材質のコンビネーションによる多種類のインナーシールが存在します。インナーシールにはロゴや登録商標、あるいは「新鮮さが長持ちするパッケージが使用されています」などといったキャッチフレーズのプリントを入れることもできます。インナーシールの裏地が二層式である場合、加熱されたフォイルはワックス層も溶かします。こうしてワックスがインナーシールのパルプ層に吸収され、フォイルをパルプ層から剥離させる仕組みとなっています。

インナーシールには必要に応じて強力な粘着力を持たせることができ、インナーシールを破らなければ開けられないようにすることもできます。また反対に、めくることで簡単に開けられるように接着力を弱めることもできます。どのようなインナーシールを使うかは、用途によって異なります。適切なインナーシールを把握するには、キャップの供給元またはインナーシールの製造元にお問い合わください。

ねじ込み式のプラスティックキャップを使ったプラスティック製の容器は最も簡単な密封方法です。他の方法はこれに比べると少し難しい面があります。ガラス製の容器をシーリングすることも、金属製のキャップを使ってのシーリングも可能ですが、どちらにも難点があります。ガラス製容器はシーリングを施す前に、淵になんらかの処理を加える必要があります。金属製のキャップのシーリングは可能であるものの、更に難しい幾つかの問題をクリアしなければなりません。シーリング装置はインナーシールと金属製のキャップの両方を過熱してしまうので、金属製のキャップはしばらくのあいだ熱いままの状態になり、安全性の問題を引き起こす可能性が残されます。加熱された金属製キャップが容器側のねじ山を溶かしてしまうということも考えられます。

最新技術

インダクションシーラーは発熱を避けられず、パッケージ業者は従来から水冷式の冷却装置に頼ってきました。しかしパワーサプライの技術が向上するに従い、ここ5年間は空冷式の装置が主流となってきています。今日の空冷式パワーサプライユニットは、以前は水冷式でしか望めなかったスピードで稼動することができます。空冷式のユニットは装置自体が比較的安価であり、また水の循環装置がないぶんメンテナンスを大きく簡略化できます。幾つかの用途では今でも水冷式に分があるものの、大抵は空冷式のシステムで用が足せるようになったのです。

キャップレスインダクションシーリングもまた、比較的新しく取り入れられた技術です。容器の淵とインナーシールを接着するシーリングには通常、熱と共にキャップの圧力が必要となります。キャップを使わない場合も、別の方法で圧力をかける必要があります。そのため幾つかのシステムではオーバーヘッドベルトによって圧力をかけています。また、空気力学による効果で圧力をかけるシステムもあります。

コンダクションシステムをインダクションシステムへと変換する改造キットも用意しております。インダクションシステムは、起動の速さ、稼動スピードの速さ、メンテナンスの低減、そして消費エネルギーの低減と、すべての面においてコンダクションシステムよりも効率良く稼動することができます。

適切なシーラーの選択

インダクションシーラーの選択には、キャップのタイプ、キャップのサイズ、そして生産ラインのスピードという3つの大きな要素を考慮する必要があり、またその他にも容器のタイプと構造、インナーシールの材質、製品の特性なども関わってきます。前途の通り、プラスティック製のボトルとプラスティックキャップのシーリングが最も容易です。

シーリング能力はパワーサプライのキロワット値に依存すると誤解している人は少なくありません。キロワット出力が高ければ高いほど強力なシステムを稼動することができるというのは確かに事実であることが多いのですが、それが直接シーリング数の増大に繋がるとは限らないのです。キロワット値は様々な関連要素の一つに過ぎないのです。より高速、より効率が良く、そしてより均等なシーリングを可能にする秘密は、パワーサプライによって作り上げられたエネルギーをいかに効率よくシーリングヘッドに供給するかということにあります。

シーリングヘッドはどれも独特な構造をもって作られており、ヘッドのデザインやそれぞれのヘッドに取り付けられたインダクションコイルはまさに芸術と科学の融合の賜物です。コイルのデザイン一つにしても、これに不具合があれば、出力を増大してもエネルギーの無駄に繋がるだけで、シーリングの速度や効率が大きく向上することは決してありません。

定評のある供給元はみな口を揃え、効率の良いシステムのデザインとシーリング能力の関連性を強調します。キロワット値を問題にすることはほとんどありません。1または2キロワットの低出力でありながら高出力のものを上回るシステムはこれまでにもたくさん作られています。出力が高ければ高いほどインダクションシーリングの効率も上がると勧める供給元を信頼してはいけません。それは明らかに誤りであるからです。